半熟cherry
私がゆっくり歩を進めると。
片手に紙袋を持った涼真が立ち上がった。
『……なに……?』
「オバサンから持ってけって頼まれた」
ほれ、と紙袋を渡される。
…お母さん、から…?
「俺だってヒマじゃねぇっつーの」
涼真はブツブツ言ってる。
……あれ?
私、昨夜。
涼真に電話したんだよね…?
コイツ、めんどくさいのキライだから。
絶対怒ってると思ったのに。
違うコトでブツブツ言ってる。
『…涼真…』
「あん?」
『私、昨夜涼真に電話した、よね…?』
「…は?」
涼真は眉間にシワをよせた。