半熟cherry
初めて郁に勝った。
からかわれる前の防御。
“もうダメだッ”てあきらめた後の。
郁の“なぁんてね”はめっちゃ腹立つ。
あ〜嬉しい♪
私は完全に勝った気になって。
油断していたんだ。
『えッ?!』
「…もう、邪魔させねぇよ?」
何が起こったのかわからなかった。
気付いたら目の前には。
郁の悪魔のような真っ黒い笑顔があった。
私の2本の腕は頭の上で郁に押さえられてる。
郁の顔の後ろには。
…ちょっとレトロなランプが見えた。
どうやら私。
押し倒されてるみたい…。