半熟cherry
「…“生徒、生徒”って言うケドさ…」
郁は私の両腕を片手で押さえると。
私の上に覆い被さってきた。
そのまま、空いている方の手で。
私の腰周りを撫でる。
『……ッ?!』
郁が私の首元に顔を埋めた。
柔らかく湿った唇の感覚は。
一度だけ痛みを残す。
「…“生徒”の前に。
俺“オトコ”なのわかってる…?」
……郁は“オトコ”……。
確かに生物学的にはそうだろう。
でも。
郁が言ってるのはそんなコトじゃない。
―“男の子”じゃない。
“男の人”なんだ―