半熟cherry
時間が止まった。
郁の視線が体中に巻き付いて動けない。
……怖い…。
……怖い…怖い…。
郁の視線のせいだけじゃない。
郁が。
知らない“男の人”に見えるんだ。
…さっきまでの郁とは、違う人間に見えるんだ…。
「……ねぇ、茜……」
目を細めて微笑む郁。
いつもの意地悪な微笑みじゃない。
“妖艶”
その言葉がピッタリはまりそうな。
妙な色気があった。
「…ココが個室でよかったな…」
郁の手が。
ブラウスの裾から中に入った。