半熟cherry
『…ッ!!』
私の体温より少し冷えた郁の指先が。
素肌の脇腹に触れた。
『…郁…やめ…』
「やめない」
郁は脇腹を指でなぞりながら。
首元に顔を埋める。
『…ヤダ…ッ』
体を捩ってもがいても。
郁の半身が乗った私の体は動かなかった。
……なんで?
なんで、こんなことするの……?
“あの日”があったから。
私はカンタンに足を開くと思っているのだろうか。
それとも。
“あの日”という鎖で縛って。
私が強く出れないのをいいことに遊ばれているのだろうか。
……郁の、“ヒマツブシ”の道具として。
使われているのだろうか……。