半熟cherry
「…早く来いって」
『も少し待って』
「もう待てねぇし」
『…今行くから、待ってよ』
「…もう無理。待てない」
『ちょッ!!ダメだって!!』
涼真は私の言葉を無視して。
手を伸ばした。
「……ッん〜、うめッ♪」
涼真は満足そうな声をあげる。
……手には私の買ってきた缶ビール。
『…って、なんでビール飲んでんのよ!!』
「うるせぇ。
暑い中わざわざ来てやったんだし。
ケチケチすんな」
…来てくれと頼んだ覚えはないし。
アンタが勝手に来たんでしょうが。
しかも。
高校生が堂々とビールなんか飲むなッ!!
「…お前はこれでも飲んでろ」
ポイッ。
涼真から投げられたのは。
『…牛乳…?』