半熟cherry
高校生の涼真と。
希望の就職先にはようやく内定。
でも臨時でもなんでも社会人の私。
並んでもどっちが年上だかわからない。
涼真が老けてるのか、私が幼いのかは。
ちょっと置いといて…。
一緒に買い物しててカップルと勘違いされて。
2人で大笑いしたコトもあったっけ。
…って。
自分の置かれている状況を忘れて。
軽くトリップしてしまいマシタ…。
「んじゃ、渡すモン渡したし…俺、これからバイトだから」
そう言って。
涼真はエントランスの出口に向かって歩きだした。
「あ、そうだ」
クルン、と振り返る涼真。
「内定おめでとう、“友藤センセー”」
ニヤッと笑うと。
手を振りながらまた歩きだした。