半熟cherry

昔から私と涼真は仲が良かった。



年は7つ違うけれど。

好みが似ていたりして気が合った。



涼真が小学生の頃。

涼真の家に届け物をしに行ったら。

宿題に詰まっていた涼真と涼真の友達にたまたま出くわした。



その時、高校生の私。

小学生の宿題くらいなら…と教えてあげたんだ。



「茜が先生だったらよかったのにな」

「…学校の先生よりわかりやすい…」



「「ありがとう」」



涼真と涼真の友達にそう言われた。



単純だけど。

その言葉が私を“教師”にしてくれたきっかけ。



ま、そんなコトは涼真たちは覚えてないだろうけど。



そんな些細なコトが。

他人の道を決めてしまうコトもあるんだから。

…人との繋がりってすごいコトなんだって思う。





……そんなコトを思い出したのは。

イイカンジに酔いがまわってきたからなのかもしれない。



 

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