半熟cherry

飲んでいたチューハイの缶が空いた。




『涼真、ついでにプリン持ってきて』



冷蔵庫を物色中の涼真に声をかけた。



「うぇ〜、あんだけ飲んだ後によく甘いモン食えんな」



『プリンは私の“締め”なんデス♪』





お酒を覚えたての頃。

口に残る苦みを消したくて食べてたプリン。

今はお酒もおいしく飲めるケド。

私の“飲みの締め”になるくらい重要なんだ。





『ん〜ッ、うまッ♪』



冷えたプリンがノドを通過していく。



…この感覚がたまらない〜ッ。



なんて。

プリンを満喫していたら。





「お、サクランボ見っけ♪」





ヒョイ。



最後に食べようとよけておいたサクランボを涼真がつまんだ。



『……え?』



考える間もなく。



パクッ。



…サクランボは涼真の口の中に消えていった。



 

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