半熟cherry
『…えッ?!』
その言葉に顔を上げる。
だって今。
涼真が食べちゃったじゃん。
そんな私の疑問はよそに。
「……ほら」
…………………………。
そう言って。
涼真が出したのは。
『…茎と種…』
「ははッ。ごっそさん、うまかった」
そう笑いながら涼真は。
口から出した茎と種を空いたお皿にのせた。
『…バカ涼真ッ!!』
……そういえば。
前にもこんなコトあったな……。
加藤先生の雑用やらされた後。
教官室でプリン食べたトキだ。
あの時、郁が。
“あの日”のようにサクランボの茎を結んでみせた。
“サクランボの茎、舌で結べるヤツはキスがうまいんデショ?”
ここでひとつ。
私の中に疑問が浮かんだ。