半熟cherry
『好きッ?!』
ストレートな涼真の言葉に心臓がドキンッと跳ねる。
そんなはっきり言わなくても…。
「人間ってさ追い込まれると本心が出るモンだし」
やっぱ温いと美味くねぇな、とつぶやくと。
水滴だらけの缶をまたテーブルに置いた。
「教師と言えど所詮人間。
恋ぐらいすんだろ?」
『恋ッ?!』
「郁が好きってコトはそうなんじゃね?」
ニヤニヤと意地悪そうに笑う涼真は。
言葉を付け足した。
「素直になりな。楽になんぞ」
そう言って。
私の頭にポンポン、と。
手を乗せた。