半熟cherry
chapter:10
“素直になりな”か…。
私の心に涼真の言葉がスッと入ってきた。
認めてしまえば案外楽なモノなのかもしれない。
でも。
認めてしまったら。
止まらなくなってしまいそうで怖い。
しかも、相手は“生徒”ときた。
その上酔って覚えてないとはいえ。
ホテルにまで行ってしまっている。
順番、めちゃめちゃだし。
相手もマズイ。
………どうする?!私……。
「なにつまんなそうな顔をしてんのよ」
『…え?』
隣を歩く一美の声にハッと我に返る。
「さっきから“ココ”しわ寄ってる」
一美が私の眉間を指差した。
ゔッ…。
ヤバい、考え事してるせいかな。
「せっかく来たんだから楽しまなきゃだよ〜」
一美が私の眉間を指でグリグリ押す。
…か、一美サン、痛い…。