半熟cherry

『…うぇッ…』



いたよ、いました。

茶髪に柔らかいパーマをかけた人と。

見慣れた短髪ジャージ姿。

あれは間違いなく島崎先生と加藤先生。

腕に腕章付けてるし。

……たぶん、見回り。



「お祭りで見回りとか大変だよね〜」

一美がお好み焼きを食べながら言った。

『確かに』



私なんかは自分たちが楽しみたい方だから。

見回りなんてまず無理。

見回りにかこつけて遊んじゃいそうだもん。





「あれ?茜と一美センセーじゃん」



『…ッ?!』



後ろからふいに声をかけられて。

持ってたりんご飴、落としそうになっちゃった。



…落ちなかったからよかったケド。

も〜、一体誰よ〜ッ。



振り向こうとした時。

一美が先に声を出した。



「…桜井クンに逢沢クンか」



 

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