半熟cherry

「センセイもいらしてたんですね〜」



にこやかな声が段々と近くなる。



できることなら。

こっちにこないで欲しい。



…その願い虚しく。

その人間は近寄ってきた。



「あ、一美センセイも。あとは…」



涼真と郁の後ろに立ったその人は。



「…桜井に逢沢、か…」



涼真と郁に気付くと。

苦虫を噛み潰したような。

嫌そうな声を出した。





『…見回りお疲れさまです、島崎先生…』





ニッコリ。

愛想笑いもいいところ。

ホントは顔も見たくないんだから。



早く見回り行ってくれないかな…。



 

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