半熟cherry

「一緒にまわってるんですか?」



顔はニッコリ笑顔だけど。

言葉にはすごくトゲがある。



…この人の話し方。

ホンット、気に入らない。



そんな島崎先生をまた涼真と郁も気分悪そうに見てる。



『…今、会ったんですよ。
地元のお祭りだし生徒に会ったって不思議はないでしょう?』



トゲのある言い方なら私も負けてない。

実際何人かウチの生徒を見かけてるし。



も〜、いいから早く見回り戻ってよ…。





「じゃあ、一美センセイ」

営業用の作り笑いを一美に向ける島崎先生。

「はい、なんでしょう」

それに負けじと表面だけの笑顔を返す一美。



…ヒィ〜ッ!!

怖いよ〜。

なんか火花が散ってるように見えるよ〜ッ!!



そして。

島崎先生は言葉を発した。



「友藤センセイ、お借りします」



 

< 188 / 283 >

この作品をシェア

pagetop