半熟cherry
島崎先生は。
「座りますか」と言って。
私を入り口から少し離れたところにあるベンチに連れていった。
スタスタと歩く島崎先生の後ろを。
ゆっくり距離をとって歩く私。
…なんだろ。
前にもこんなことがあったような…。
頭の中を何かがよぎる。
と、同時に。
警告音のようなものが頭に響いてきた。
…思い出さなきゃ…。
島崎先生の後ろを歩きながら。
私は曖昧な記憶の糸を手繰り寄せていた。