半熟cherry
「……俺、周り探すから。
涼真と一美センセイで神社頼むって言ったよな?」
「仕方ねぇだろ?
一美センセー暴走し始めるんだもん」
「私は茜が心配だったの!!」
私を呼んでいたのは一美。
涼真も合わせて3人で私を探してくれていたらしい。
「……あと3センチだったのに」
隣を歩く郁がボソッと呟いた。
『…ッ?!』
い、郁ッ?!
アンタ何言ってんの?!
「あ、テメェどさくさ紛れになにしてんだよ?!」
郁の前を歩いていた涼真には聞こえてたらしく。
クルン、と振り返った。
「うるせぇ。ジャマが入ったからなにもしてねぇよ」
悔しそうに。
本当に悔しそうに。
郁が涼真の頭をこづいた。