半熟cherry
chapter:11
あの夏祭り以来。
郁から毎日メールがくるようになった。
【これからバイト】とか。
【暑くてヤバい】とか。
内容があるようでないメールばかりだったけど。
会う口実なんかほとんどないし。
郁からのメールは嬉しかった。
“郁が好き”って認めてから。
私は昔に戻ったみたいに。
メールが来るたびにドキドキしてた。
……2学期になったらまた毎日顔を合わすことになる。
それは嬉しくもあり。
どうしていいのかわからなくなる。
だって。
私は“教師”で。
郁は“生徒”だから。
この気持ちは。
誰にも知られちゃいけない。
……もちろん。
郁本人にも。