半熟cherry
『でも今年は手伝えないからね』
宿題の山は素通り。
キッチンに向かう。
「はッ?!なんで?!」
ガバッと立ち上がり私を追い掛けてくる涼真。
『なんでもなにも…。
私が出した宿題もあるんだよ?』
…コイツ、なにも考えてないな…?
「英単、ノートに写すぐらい…」
カウンター越しに涼真が話し掛けてくる。
……やっぱりわかってない……。
『私はアンタの学校の先生なんだよ?
先生が生徒の宿題手伝ってどーするの!!』
ホント、考えなし。
ため息出ちゃう……。
………はぁ………。
「あ゙…」
“しまった”という顔をする涼真。
『だから宿題は自分でやりなさいね〜』
……はい、残念デシタ〜。
ガックリ肩を落とす涼真は。
ポケットからケータイを取り出すと。
どこかに電話をかけはじめた。