半熟cherry
「じゃあ行ってくる♪」
私は2人を玄関までお見送り。
いつの間にきたのか。
郁は私の後ろに立っていた。
「…あ」
靴を履きかけた涼真が振り返った。
「郁に襲われんなよ〜?」
『襲ッ?!』
お、お、お、襲うッ?!
体が急に熱くなった。
…涼真クン。
言っていい冗談と悪い冗談があるの、ご存じですか?
「…お前こそ盛んじゃねぇぞ」
郁は全く動揺してなくて。
ため息一つ吐きつつ涼真に言った。
「俺が一美センセーに襲われちゃうカモ♪」
「誰が襲うかッ!!」
「どうだかね〜?」
ニヤニヤする涼真の頭を一美がこづいた。
「んじゃ、行ってきます」
そう言って一美と涼真は出かけていった。
この時。
涼真が一瞬ニヤッと意味ありげな笑みを浮かべたのは。
……気のせい、だったと思いたい。