半熟cherry
…ドォォォォォン……
…ドォォォォォン……
大きな音と共に。
空に色鮮やかな花が咲く。
「お〜ぉ、すげぇ♪」
プリンを食べながら郁がつぶやく。
『すごいね〜♪』
私はビールを飲みながら花火観賞。
赤や黄色、青にピンクと。
暗かった空を明るく照らしていく花火。
さっきまでの気まずかった空気がウソのように。
力が抜けた。
……花火サマサマ、だね……
ふと横を見ると。
肩が触れそうな距離に郁がいた。
空に打ち上がる花火に目を奪われてる郁に。
一瞬、心臓が跳ねたけど。
…花火の魔力、なのかな…。
私はその横顔を見つめているコトができた。