半熟cherry
うーわー…。
しっかり聞こえてたのね。
ただでさえ同じ学校。
副担任と生徒でイヤな顔されてんのに。
…これ以上涼真の機嫌を害ねたら。
酔ったトキに迎えに来てくれなくなるじゃん。
おい、そこかよ。
と、自分にツッコミたくなるけれど。
コレ、私的にかなり重要なワケで…。
なんて誤魔化そうか頭グルグルさせてたら。
「……イトコ」
低ーい、不機嫌丸出しな声が。
ベッドの方から聞こえてきた。
「イトコ?」
「そう。俺と茜、イトコなの」
一美の疑問符混じりの言葉に。
涼真のめんどくさそうに答えた。
『…涼真?』
「隠しても事実だし、やましいカンケイじゃないからな」
ベッドからひょい、と顔を出した涼真が。
ちょっとスネた顔をして言った。
「じゃあ、茜が酔っ払って電話する相手って桜井クン?!」
一美が目を見開く。
「……なんで知ってんの?」
一美の言葉に涼真は。
眉間にシワを寄せた。