半熟cherry
『えッ?!なに?!』
ちょっと、ちょっと!!
なんなの?!
“何か”が私の視界を塞いでる。
目の前にある“何か”を剥がそうと手を伸ばす。
その“何か”が郁の手のひらだってコトに気付くまで。
そう時間はかからなかった。
「…ココロで答えて?」
唇に吐息が掠めた。
……ってコトは。
また唇が触れてしまいそうな距離に郁の顔があるってコトだ。
…見えないって。
何されるかわからないから。
よけいにドキドキしてくる。
「…教師とか生徒とかカンケーない。
なんで…キスしたの?」
郁の囁きは。
私を私でいられなくなる魔力があるらしい。
甘い囁きは耳から入り。
首筋から背中、腰と伝わっていく。
体が内部から熱くなる。
視界を塞ぐ骨っぽい手にそっと触れてみた。
真っ暗な中。
私のまぶたの裏に浮かぶのは…。