半熟cherry

郁は私に巻き付いてる腕を緩めると。

私の頬に触れた。



熱い頬に。

郁のちょっと冷えた手が気持ちイイ。



「…また赤くなってる」

『うッ、うるさいッ!!』



私のその言葉に。

イジワルそうに目を細めた。



「なんで赤くなってんの?
…俺の腕の中にいるから?
それとも、思い出しちゃった?俺とのキス」

『う、う、うるさぁ〜いッ!!』



郁のその言葉にまた顔が熱くなる。



…も〜恥ずかしいから言わないでぇ…。





まさか。

声に出てたとは…。

一生の不覚…。



あんな言葉。

“もっとキスしたい”なんて。

…告白してるようなモンじゃない!!





でも。



“自惚れたくなるだろ”



その言葉に。

私は“自惚れ”てしまったんだと思う。



…郁も、私のコトが…。



 

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