半熟cherry
言わなきゃ言ってもらえない。
郁の気持ちを言葉で知るコトができない。
………知りたい。
知りたい、知りたい、知りたぁ〜い!!
…ってコトは。
言わなきゃダメ?
でも、郁の気持ちを先に聞きたい…。
そんな戦いをココロの中で繰り広げていたとき。
「…お前のキモチ、聞かせて…?」
ふいに耳元で囁かれた甘い声に。
心臓が跳ね上がった。
焦って郁の顔を見上げると。
さっきまでのニヤニヤした顔も。
わざとらしいスマイルも。
そんなのどこにもなくて。
いつになく真剣で真っ直ぐに。
全てを見透かしてるかのように私を見ていた。