半熟cherry
……一美のヤツ。
余計なコトを言ってくれちゃって。
これで涼真が迎えに来てくれなくなったら。
どうしてくれるんだぁ!!
なんて、私の心の叫びを知ってか知らずか。
一美と涼真は話を続けた。
「私、茜と何度も飲みに行ってるから」
「一美センセー、茜の友達なの?」
「中学からの友達だよ」
一美の言葉に驚いた後。
なぜかホッとした顔を魅せた涼真が。
ため息混じりに話し始めた。
「…コイツ、酒癖悪くない?」
「あ〜、酔うと必ず電話始めるね」
「そんで俺ントコかけてくんだよ」
「桜井クンも災難だね〜」
「この間なんてさ〜…」
一美と涼真は“私の酒癖話”を始めてしまった。
おいおい、お2人さん。
ちょっとヒドいよ?
も少し優しく言ってくれても…。
『…そんなに酒癖悪くないし…』
私は。
だんだんエキサイトしてきてる一美と涼真には。
聞こえるか分からないような声でつぶやくと。
保健室を出た。