半熟cherry

『「………………………」』



私と郁の間には。

重苦しい空気が漂っていた。



目の前にいる郁は。

眉間にシワを寄せて不機嫌全開。



「……今度はなんだっつーの……」



そう呟いて。

大きいため息を吐いた。



でも。

郁の機嫌なんてかまってらんない。

それより大事なコトがあるんだから!!



私は。

大きく息を吸い込んだ。





『…今ッ、なんて言った?!』





「なに?」



やっぱり不機嫌全開。

言葉の発し方も不機嫌なら。

目付きも不機嫌。





……ちょっと、怖い……。





でも!!

怯んじゃいけない!!

ここで怯んだら肝心なコトを聞けなくなる。





『だから、今!!なんて言ったの?!』



 

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