半熟cherry
年下のくせに。
イジワルなくせに。
生意気なくせに。
…生徒のくせに。
なんでこんなにドキドキさせられるんだろう。
なんて自問自答してみるケド。
それはやっぱり。
私が郁のコトが好きだから、なんだよね。
最後は。
惚れた方が“負け”なのよ。
『…郁』
私は。
たぶんまだ赤いであろう顔を郁に向けた。
郁と視線が絡み合う。
ここまできたら。
やることは決まってる。
『…郁のコトが、好き…デス…ッ』
ドラマのワンシーンのように。
周りの雑音が消えた。
十中八九決まってる答え。
それでも。
決定打は郁の言葉で聞きたいんだ。
体に顔に。
再び熱が襲ってくる。
郁は。
なんて言葉をくれるんだろう。
『……………え?』
郁の顔が。
真っ赤に染まっていた。