半熟cherry
こ、これは…。
なんかイヤな予感がする…。
この真っ黒い笑顔を見た後はろくなコトがない。
背筋にツツッと冷や汗が走った。
すると郁は。
ちょっとだけ真顔に戻った。
何を考えて……。
「あの日から…。
やっと“好きだ”って言わせたんだ。
“つきあって”なんて言葉じゃ足らねぇよ」
………え………?
予想外のセリフに頭が回らない。
“あの日から”って。
“やっと好きだって言わせた”って…。
それって……。
『…あの日から、郁はそう思ってたの…?』
“あの日”は。
酔って記憶をなくして。
起きたら見ず知らずの人と寝てた。
その相手がよりによって生徒だった。
私にとってはただの悪夢でしかなかった。
そんなあの日から。
郁は。
私を思っていてくれてたの…?