半熟cherry
“いつの先輩ですか?”って聞いても。
“覚えてないんだ〜。ヒドいなぁ”とか言われるし。
学校行事の思い出も曖昧だし。
私、3つ上にお兄ちゃんがいるんだケド。
高校まで同じ学校だったし。
しかも結構有名人だったから。
私が入学したトキもよく言われたんだ。
“友藤の妹チャン”って。
でも。
そんな話しもない。
だから余計に“先輩”って言われても。
ホントかよって思っちゃってる自分もいるし。
ホント、めんどくさい…。
「……うかな?」
『えッ?!』
ヤバッ。
話なんて聞いてなかった。
気付くともう職員室の前にいて。
私は入り口のドアと。
島崎先生に挟まれる形で立っていた。