半熟cherry
『あッ…と…なんでしたっけ?』
笑って誤魔化しちゃえ。
なんて思って愛想笑いをしたのに。
島崎先生は優しそうに微笑んだ。
「…今度、食事でもどうかな?」
………………………。
どーもこの笑顔がうさんくさく感じる。
生理的に受け付けない。
『…じゃあ、他の先生方にも声かけてみますね』
私もニッコリ。
営業スマイルばりのわざとらしい笑顔を作って。
職員室のドアを開けた。
職員室内の私の机は。
後ろの方。
島崎先生は前の方。
でも同じ2年生を受け持ってるから。
同じ列にいる。
……教官室、行かなくてよかった……。
あそこじゃ1人になる可能性大。
居座られたんじゃたまらない。
職員室には教頭先生や空き時間の先生が何人かいる。
…今ほど職員室に感謝したことはないよ…。
ホッとしたのも束の間。
この後職員室に入ってくる先生がきっかけになって。
私の学校生活は。
とんでもない方向に動いていくコトになる。