半熟cherry
chapter:03
『…ケチ!!』
「しゃーねぇだろ?!バイト入ってんだよ!!」
『…数学の査定下げるよ?』
「…ッ!!…職権濫用すんじゃねぇ!!」
『……お願いッ!!』
「今日は彼氏とデート」
『そこをなんとか!!』
「…無理デス」
頼みの綱の涼真と一美は。
無情にも私よりバイト・彼氏をとって。
帰っていった。
放課後の教室にひとり。
ぽつん。
…あー。
どうしましょ…。
この、資料の山…。
――遡ること数時間前――。
「あ!!友藤いた!!」
空き時間を満喫しようとしていた保健室から追い出され。
仕方なし、教科書とノートを片手に小テストを作ってたトキ。
職員室に入ってきたのは。
同じ数学の加藤先生。
私の元担任であり。
私を推してくれたありがたい先生。
その加藤先生が満面の笑みで近づいてきた。