半熟cherry
と、そこに。
「一美センセー、指切れた〜」
聞き慣れた声。
……また、コイツか……。
そう。
涼真が来たんだ。
……またサボりだな……。
「あれ?2人とも?」
「や、俺は付き添いデス」
え?2人?
この声って…それってまさか…。
一美の声ともう一人の声に振り向くと。
そこには。
真っ黒い笑顔の持ち主…“郁”が立っていた。
「このくらい、付き添いなんていらないじゃない。
逢沢クンもサボりでしょ?」
「あ、バレました?」
うーわー。
作り笑顔がカンペキ。
あれならみんな騙されるわ…。
一美と涼真と郁。
3人を横目に。
またパソコンに向かった。
その時。
「…あッ、茜!!お前もサボりか!!」
私がいるコトに気付いた涼真が声を上げた。