半熟cherry

なんて。

あの自然な笑顔に油断した。





ペロッ。





『ヒャアッ!!』





不意に感じたなんとも言えない耳への感覚。





今…ッ!!

みッ、耳舐めたッ!!





ガバッと耳を押さえて振り返ると。

そこには。





「…隙あり」




ペロッと小さく舌を出して。

いたずらっ子のような顔をした郁がいた。





信じらんない!!

フツー、こんなコトする?!





郁を睨みつけるケド、全く効果なし。

口元を緩ませて可笑しそうに肩を揺らしてる

その表情と仕草に。

なんとも言えず恥ずかしさが増す。





そんな私を知ってか知らずか。

一美は呆れたように言葉を発した。





「茜だってサボりみたいなモンじゃない」

「…一美センセーも友藤センセーのコト“茜”って呼ぶんデスね?」

「中学から友達だからね」

「へぇ…そうなんだ」





一美の言葉に驚いた顔を見せた郁。

と、ここで。

余計なコトを言いだすヤツがいた。



 

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