半熟cherry

「郁も“茜”でいいんじゃね?」

『はぁッ?!』





涼真が出した言葉に。

私は驚いた。





「郁とは幼なじみだし、茜とはイトコだし。
幼なじみもイトコも大差ねぇよ」





イヤイヤイヤイヤ!!

そりゃあアンタの中では大差ないかもしれないケド。

私と郁は違うデショ?!

てか、私。

一応キミたちの“センセイ”なんですよ?!





しかも。

涼真のヤツ、サラッと“茜とはイトコ”って言っちゃってるし…。

あぁ、めんどくさいコトになりそうな予感…。





「…じゃあ、茜センセーで」

「“茜”でいいじゃん」





机の上にあったペンを回しながら言った郁の言葉が気に入らないのか。

ちょっと膨れた涼真が言う。





「…仮にも“センセー”だから。
それに、涼真は人前で呼んじゃっても“イトコだから”って言えるケド。
俺とセンセーは違うからね」

「あ、なるほど」





……なんだ、ちゃんと考えてんだ……。

“仮にも”って言葉はひっかかるケドね。





って、私と涼真がイトコだって知っても驚かないの?



 

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