半熟cherry

どうする、私?

送信すれば学校だけじゃなく。

私生活でも絡まれる。

でも。

送信しなければ…。





横目でチラリ。

郁を見上げると。





“フッ”





唇の右端を持ち上げて。

イジワルそうに微笑んだ。

…まるで。

“どうなるかわかってますよね?”

と言わんばかりに。





バラされでもしたら。

大事になるのは間違いない。

男女の違いこそあるものの。

相手は未成年。

しかも生徒。

いくら知らなかったと言っても。

私の教員免許取消は確実だろう。





……そんなの、困るッ!!





周りからしたらほんの数秒。

でも、私的には何時間にも匹敵する時間。

私の苦渋の決断をした。





ポケットからケータイを取り出すと。

自分のケータイ番号を載せて。

受け取ったメモに書いてあるアルファベットにメールを送信した。



 

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