半熟cherry
が、しかし。
教師だって人間。
忘れちゃうコトあるんだよッ!!
ため息を吐いた郁を反論混じりに睨みつけても。
「……なんデスか?」
…全く効果ナシ…。
私がため息を吐きたくなったとき。
涼真と西村サンの会話がまた耳に入ってきた。
「…郁だっているじゃんか」
「逢沢クンはもう終わってる」
「はぁ?!郁、お前いつの間に…」
「俺、涼真みたいに逃げねぇもん」
「う〜わ〜。裏切り者め」
ムスッとした涼真に、仁王立ちの西村サン。
そこにシレッとした郁が加わる。
…涼真が勝てない相手って。
こんなにいるんだ…。
そんな涼真に負けてる私って…。
「友藤センセイも!!」
『は?!』
クルンと。
緩く巻いてある髪を揺らして私の方を向く西村サン。
「センセイ、副担でしょ?!
準備手伝ってくれないなら、当日手伝ってくださいね!!」
『…はい…』
西村サンの有無を言わさない勢いに。
思わず返事をしてしまいマシタ…。