半熟cherry

震えはすぐに止まった。





……ﾒｰﾙか……。





ﾎﾟｹｯﾄからｹｰﾀｲを出す。

折り畳まれたｹｰﾀｲを開くと。

ﾃﾞｨｽﾌﾟﾚｲにはﾒｰﾙのﾏｰｸ。





……誰だろ……。





そのままｶﾁｶﾁとｹｰﾀｲをいじり。

新着ﾒｰﾙを開いた。





【後ろ向いて】





………は？

何、このﾒｰﾙ……。



登録されてないｱﾄﾞﾚｽ。

だから、誰からだかわからない。





……意味、わかんない……。

いーや、消しちゃえ。





削除。





ｹｰﾀｲをﾎﾟｹｯﾄにしまって。

歩き始めたその時。

ｹｰﾀｲがまた震え出した。





ｹｰﾀｲを取り出すと。

ﾃﾞｨｽﾌﾟﾚｲにはﾒｰﾙﾏｰｸ。





『……また？』





ﾒｰﾙを開くと。





【後ろ向けって】





またさっきと同じｱﾄﾞﾚｽらしい。

内容もそっくり。





なんなの?!一体!!

“後ろ向け”と言うなら向いてやる。

きっと後ろに誰かいるんだ。





意を決して。

後ろを振り向いた私。





同時に。

目の前が真っ暗になって。

ﾊﾞﾗﾝｽを崩した。