半熟cherry
メガネかけてないから。
切れ長で二重の瞳がよくわかる。
まるで。
瞳だけ別に意志を持っているかのように。
真っ直ぐ私を見てる。
その視線から逃れたいのに。
逃れるどころか。
巻き付かれて離れられない。
「……する?」
郁は小さく、口元を緩ませ囁くと。
ゆっくりと顔を近付けてきた。
………もう、ダメだ………ッ…!!
迫ってくる感覚から逃げるように。
ギュッと目を瞑った。
「…なぁんてね」
唇が触れてしまいそうな距離。
そこで郁は。
寸止めをしていた。
『……は……?』