半熟cherry

「…ホントに覚えてないのー?!」





……あぁ、うるさい……。





二日酔いの頭に響くから。

せめて大声は止めてクダサイ…。





昨日なにがあったのか。

一緒に飲んでた一美(カズミ)…友達ならわかると思って。

ホテルを出てそのまま一美の家に行った。





一美は寝起きだったらしく。

寝ぼけた顔をしてたケド。

私は昨日なにがあったのか。

どうしても知りたかった。

と、言うか。

知らなければならなかった。





『私、昨日何かした…?』





そう遠慮がちに聞いたら。

最初。

不思議そうな顔をしてた一美も。





『何も覚えてないんだよね…』





私がそう言ったら。

「…だろうね」と。

一美は眉間にシワを寄せた。





「難しい心境なのはわかるケド、昨日の飲み方はヒドかった」

『……みたいだね』





そりゃ記憶なくすくらいだもん。

かなりヒドいと思う。





二日酔いの頭によく響く一美の声にこめかみを押さえながら。

話を続けた。



 

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