半熟cherry
ガラッ。
ノックもなしに勢い良くドアが開いた。
「一美センセー、茜は〜?」
入ってきたのは涼真だった。
『どしたの?…ってなに、その格好?!』
「ホール足んねぇから手伝え」
『ホール?』
私の言葉なんかほとんど聞いてない涼真。
私には涼真の言葉の意味がよくわからない。
「ウチのクラス、喫茶店やってんだけど客入りハンパなくて人足んねぇの」
『…ただの喫茶店…?』
そう聞いてしまったのには理由がある。
涼真の格好だ。
いつもは金髪に近い髪を黒くして。
無造作にクシャクシャな髪もオールバックになっている。
そして。
白いワイシャツに黒いベスト。
……どうみても。
『……ホストクラブ……』
「違ぇよ!!執事だ!!」
…執事?!
涼真が、執事?!