半熟cherry
……涼真が、執事……。
……ぷッ……。
……笑いたいッ。
でも笑ったら後が怖い。
普段の行動や話し方からして。
……涼真が執事って……。
…やっぱり、笑いたいッ。
「…客が入ってるから裏方が回らなくてホールから回してるんだよ。
買い出しも行かなきゃ足んねぇし。
お前、西村にも手伝えって言われてただろ?!」
笑いを堪えてる私がわかったのか。
ちょっとだけ赤くなった顔を背けながら言った。
…あ、そういえば…。
“準備手伝わないなら当日手伝ってくださいね!!”って。
すごい勢いで言われたなぁ…。
…コーヒー飲も…。
カップに手を伸ばしたトキ。
涼真にガッ、と腕を掴まれた。
「…時間がない。とりあえず来い!!」
『ほえッ?!』
「…一美センセーもよろしく」
「…え?」
そう言って一美の腕も引っ張った。