半熟cherry
「じゃあ友藤センセイはホール、一美センセイは裏、手伝ってください」
「はいよ〜」
『…出たくない〜…』
有無を言わさない西村サンに。
時間がないからと手早くメイクを直され。
「自分がセンセイだって言わないでくださいね!!」
そう念を押された。
ホール出る前に西村サンに教え込まれたコト。
“とりあえず最後に‘ご主人様’をつける”
“男の人だけ接客すればいい”
“オーダーとったらニッコリしてキッチンへ”
……めんどくさい……。
私も裏方がよかった……。
そう思う私の気持ちなんて知らん顔。
西村サンに手を引かれホールに出た。