半熟cherry

その時。





「…島崎先生〜」

『…ッ!!!』





教室の入り口から声がした。

その声に。

島崎先生は、私の肩に触れかかった手を慌てて引っ込めた。





「グラウンドで3組の生徒が呼んでますよ」

「……あぁ、今行くよ…」





島崎先生は。

何事もなかったかのように。

教室から出ていった。





…………た、助かった…………。





誰もいないと思ってた校内。

運良く島崎先生を呼んでる生徒がいたなんて。

ホント、感謝だよ……。





「……何してんだよ、茜…」





ホッと胸を撫で下ろしたのも束の間。

静かな教室に冷ややかな声が響いた。



 

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