半熟cherry
『…ッ?!』
ふいに太ももに感じた違和感。
郁が片方の手で…指先で。
太ももに触れる。
「…こんなんつけちゃって…。そんなに見られたいの?」
郁は。
触れてるのか触れてないのかわからないぐらいのタッチで。
ガーターベルトの周りを撫でる。
怖い。
郁が、怖い。
目の前にいるのは“郁”なのに。
別人に見える。
『…やめ…』
郁の胸を押し返すけど。
私の力じゃビクともしない。
なんで?!
なんで?!
私はただ着せられただけ。
文句は西村サンに言ってよ!!
そう言いたいのに。
意識が。
郁の唇が這う首筋や鎖骨にいっちゃっていうことをきかない。
そんな私を見て。
郁が冷たく笑った。
「…ホントはして欲しいんでしょ“あの日”みたいに…」