半熟cherry

カラダが、ビクッと震えた。





郁の“あの日”という言葉は。

私を縛りつける鎖になる。





「…余計なコト、考えんなよ…?」





ふいに耳元で囁かれた冷たい声に。

背中に冷や汗が伝った。

と、同時に。

郁の唇が、再び私の肌に触れはじめた。





『やめ…ッ』

「やめない」





冷たく言い放つ郁の指は。

言葉とは正反対に。

熱く、滑るように足に触れる。





『…んッ…』





私のカラダも。

熱く、熱をもってくる。





『…郁…ッ…』





肌を這っていく郁の熱い唇と指先が。

私を本能の世界に連れていこうとする。

行っちゃダメだと止める理性。





カラダとココロがバラバラになりそう…。





その時だった。



 

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