半熟cherry
「珍しく“センセー”らしいコトしてんし」
『わッ!!ダメだって!!』
涼真はヒョイ、と机の上に置いてあるプリントを手に取った。
慌てて手を伸ばしたけど。
時すでに遅し。
涼真が手にしたそれは…。
「……テスト……?」
……あぁ、見られた…。
また作り直しだ…。
そう。
涼真の言うとおり。
これは“テスト”だ。
『…まだ試作だけどね』
まだ作り直すつもりでいたからいいケドさ…。
「そぉいやもうすぐ期末だ」
郁も机の上にある教科書をパラパラめくる。
『…わかってんなら勉強しなさいよ』
「「しなくてもできるし」」
あっさり。
郁と涼真が言う。
…この2人、生意気な…。
でも実際。
課題も小テストもパーフェクト。
……腹立つくらいに。
全国模試10位以内もダテじゃない。