半熟cherry
「帰ったってするコトねぇんだもん」
『…勉強しなさいよ…』
保健室特有の丸い椅子をギシギシ揺らしながら涼真が言った言葉に。
ボソッとつぶやく私。
お前らの本分は勉強だろうが。
と、言いたいケド。
全国模試10位以内には学校のテストなんてカンタンなんだろうね。
「…見返りがあればやるケドね〜」
ボソッとつぶやいたのを聞いていたのか。
郁が唇の右端を持ち上げて笑いながら言った。
『見返り?!』
おい!!
勉強なんて自分のためにするんでしょーが!!
見返りとかおかしいし!!
…でも。
それで帰ってくれるなら…。
『…見返りって、なに…?』