半熟cherry

とれるわけナイ。

必修の国数英。

選択教科の理科2つに数学、世界史。

私が学生の頃から。

オール満点とった人間なんて聞いたことない。





いくら郁でも。

…そりゃ無理でしょ〜。





そう。

無理だとわかってて言ったんだ。

なぜって、それはカンタンなコト。

早くココから出ていってくれ~…。





「……ふぅ〜ん」





そんな私の思惑なんて知る由もない郁は。

唇の右端をクッと持ち上げて目を細めた。





「…やったろうじゃん」





そう言って郁は。

真っ黒い微笑みを浮かべた。

そして。





「…絶ッ対とるから覚悟しときナサイ」





私にだけ聞こえるように。

耳元で囁いた。



 

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