半熟cherry
それからテストまでの1週間は。
郁も涼真も保健室には来なかった。
私はといえば。
職員室には島崎先生がいて行きたくない。
教官室では加藤先生に邪魔をされ。
結局空き時間は保健室。
後は家でテストを作るはめになった。
…キーンコーンカーンコーン…。
チャイムと同時に。
張りつめていた空気がフッ、と緩んだ。
『…はい、後ろから集めて〜』
期末テスト。
全日程終了。
授業がない分疲れないケド。
…ヒマ疲れしちゃう。
テスト監督って。
何をして時間を過ごしていいのか未だによくわからない。
「…カンペキ」
そう言って集めた答案を持ってきたのは涼真。
『採点するのが楽しみだわ』
「今回は郁に勝ったカモ」
『珍しく勉強してたみたいだしね』
「珍しくは余計だ」
テストの全日程が終わった後の生徒の顔は。
解放感に溢れていた。